京成電鉄の車両について～3300形、3500形、京成3000形（8両）について～ - 「EXPRESS 第42号」

京成電鉄の車両について

－3300形、3500形、京成3000形（8両）について－

交通システム工学科 2年 5012番 R.I

1. はじめに

　今回、特集が最近話題の車両がテーマであることから、最近引退した3300形、その引退に伴う、3500形の4両編成化、引退が予想される3500形未更新車、3500形短編成化に伴う、新造された3000形8両、この3つの車両について述べていきたい。

2. 京成3300形

京成3300形は1968年から1972年に14編成54両が東急・日本車両、汽車会社によって製造された。3200形から車内の手すりなどを増設した。8連、6連、4連と組み込まれたため幅広い運用についていた。6連は2008年3月に消滅し、晩年は4連のみの運用となった。この京成3300形は京成のレトロカラー（赤電、青電、ファイアーオレンジ）塗装や寅さん、こち亀のラッピングが施された。2015年2月最後まで残った3304Fと3344Fが8連になってさよなら列車が運転され、全車引退となった。

写真1　京成3300形さよなら運転（京成上野にて）

写真2　京成3300形車内

3. 京成3500形

京成3500形は京成線の輸送力増強と旧型車両置き換えのため1972年に登場した通勤形電車である。車両は外板のみステンレス鋼を使ったセミステンレス車体の車両とオールステンレス車体の車両の2種類があり、1982年までに計96両が製造された。1993年に現在のカラーリングに変更し、1996年から順次大規模な更新工事を行い、前面デザインや側面の窓が大きく変更された。しかしすべてが更新したわけではなく、更新車と未更新車の2種類が存在する。このうちの未更新車は2016年8月現在残り1編成となっている。更新車に関しては、過去に都営浅草線経由で京急線に乗り入れる運用があったが、京成3300形の置き換えのため4両編成化し、現在では普通のみの運用である。また2013年3月には、4両編成の3540編成が8両の3600形3618編成に代わって芝山鉄道の所属車両となった。

表1　京成3500形概要

編成	8両（代走時のみ）、6両、4両
営業速度	110km/h
起動加速度	3.5km/h/s
製造メーカー	川崎重工業、日本車輌製造、東急車輛製造

表2　未更新車と更新車の違い

	未更新車	更新車
車両前面	写真3　残り1編成3588編成東中山駅にて	写真4　3552編成と3536編成柴又駅にて
車内	写真5　3588編成車内京成上野駅にて	写真6　3520編成の車内京成金町駅にて

4. 京成3000形

京成3000形は次世代通勤電車として2002年12月に3001編成（８連）と3002編成（６連）が製造された。また2010年7月に成田スカイアクセス線運転用に新製時から室内に液晶ディスプレイを設置した3050形が６編成登場した。また、3000形と同じような仕様の車両が京成電鉄以外にも新京成電鉄や北総鉄道、千葉ニュータウン鉄道でも活躍している。

表3　京成電鉄3000形概要

編成	8両編成、6両編成
編成定員	8両編成は1042人 6両編成は776人
営業最高速度	8両編成は時速120キロ 6両編成は時速110キロ
起動加速度	3.5km/h/s
製造メーカー	日本車輌製造・東急車輛製造（総合車両製作所）

今回は3000形8両編成について述べていきたい。3000形で8両編成であるのは、2016年8月現在1次車の3001編成と8、9、10次車の合計6編成である。この中で、1次車とその他の車両での違いとしては、案内表示器がLCDかLEDであるか、車内照明の変更、室内内装の変更があげられる。

表4　3001編成と3028編成の違い

	3001編成	3028編成
車両前面	写真7　京成3001編成京成津田沼駅にて	写真8　京成3028編成京成佐倉駅にて
案内表示器	写真9　京成3001編成案内表示器	写真10　京成3028編成案内表示器
車内	写真11　京成3001編成車内京成佐倉駅にて	写真12　京成3028編成車内京成佐倉駅にて