
写真3 110km/h対応の生え抜き編成
2つ目のグループは2002年以降にE231系の導入と103系の置き換えに際してJR総武線・山手線から転入してきた205系原型の前面をしたグループである。
2002年に中央・総武線より転属してきたケヨ21編成、山手線より転属してきたケヨ22・23編成、2005年に山手線より転属してきた量産先行車のケヨ24-27編成と合計10両編成7本が導入され最高速度100km/hの京葉線内のみの運用を中心に活躍していた。
しかしながら2007年に発生した川越線踏切事故の補填用にケヨ21編成よりモハ204/5-277ユニットを供出したことで、2008年に残りの8両が武蔵野線用に改造されケヨM36編成となった。またケヨ23編成についても武蔵野線増発のため2007年よりサハ205-29/30を旧習志野電車区へ疎開したうえで武蔵野線用のケヨM66編成として運用したのち、2009年に前述のM36編成復帰と横浜線増発に伴い、モハ204/5-44とサハ205-29/30を交換し8両が鎌倉車両センターへ転属しクラH28編成となり、モハ204/5-44は余剰廃車となった。ケヨ21編成・ケヨ23編成を捻出するために当時置き換えの進んでいた中央快速線より201系10両2編成(トタT32→ケヨ70/トタT130→ケヨ74)が京葉線へと転入している。
京葉線用として残留した5編成については2010年より始まったE233系5000番台の導入により順次離脱となり長野・大宮へと配給輸送が行われた。京葉線用205系の最終運用は2011年7月20日のケヨ24編成となった。
ケヨ24編成はクハ205、モハ204/5の各トップナンバー以外を長野総合車両センターへ配給輸送し解体、クハ205、モハ204/5の各トップナンバーを大宮へと配給輸送し大宮車両センター内の検修技能訓練所の教材として所在している。
ケヨ22・25-27編成に関しては長野総合車両センターへ配給後、編成中7両を解体し、残りのクハ204とモハユニットについては富士急行線用として長野総合車両センター内で東日本トランスポーテックによる改造が施され、富士急行6000/6500系として譲渡された。モハ204/5-10についても富士急行へ譲渡されたがこちらは未改造で部品取りとして赤帯を保ったまま河口湖駅構内に留置されている。

写真4 他線区から転入してきた205系原型顔編成
3. 現況
現存する京葉線在籍経験のある205系に関しては次のようになっている。
3.1. 海外譲渡
ケヨ21→ハエ24編成(モハ204/5-277)、ケヨ23→ケヨM66→クラH28編成
京葉線から埼京線川越線、横浜線を経た10両が海を渡りインドネシアの地で活躍している。JR東日本からKRLジャボタベックへ譲渡された車両は500両近くになるが、赤帯を纏った車両はこの10両のみである。(ただし疎開で京葉車両センターを訪れた車両や団体臨時で京葉線を走行した車両は数編成いる。)

写真5 インドネシア譲渡前の疎開回送で京葉線に入線した横浜線用205系
3.2. 武蔵野線転属
ケヨ21→ケヨM36編成
事故の補填に充てられたモハ204/5-277を除いた8両が長野総合車両センターへ配給され、モーター車のVVVFインバータ制御への改造を施され5000番台化されたうえで武蔵野線用となった。大窓・普通顔という特徴は京葉線では唯一であったが、転用後の武蔵野線においても同編成の先頭車は南武線出身であり、屋根上の無線アンテナが屋根中央部にある5000番台編成、LEDの大窓・原型顔といった特徴の光る編成となっている。

写真6 2015年秋ごろには検査出場しきれいな姿となったM36編成
3.3. 富士急行線譲渡
ケヨ22・25-27編成のクハ204、モハ204/205各1両、モハ204/205-10(部品取り)
廃車となったクハ205の前面を活用した先頭化改造がモハ204に施されたほか、半自動ドア化、パンタグラフ・コンプレッサ増設、耐雪抑速ブレーキ・スノープラウの新設、客室設備の変更、行先表示器のLED化が行われ、デザイナー水戸岡鋭治氏の手により、つり革・床材・シートモケットの変更、貫通扉部への暖簾の設置などが行われた。
形式は量産先行車ベースのケヨ25-27編成が6000系、量産車ベースのケヨ22編成が6500系となっている。


写真7・写真8 水戸岡鋭治氏のデザインが光る富士急行6000・6500系
3.4. 205系600番台化改造
ケヨ1-10編成のクハ204/5、モハ204/5各1両
現在小山車両センターに4両12本が在籍する205系600番台のうち、Y1-Y10編成が元京葉車両センター所属の205系である。Y2・2・6・10編成が日光線仕様、その他の編成が宇都宮線仕様となっており帯色や車番の配置、車内広告、シンボルマークの有無などが異なる。転属にあたり、トイレ/水タンクの設置、半自動ドア化、暖房強化・耐寒耐雪仕様への改造・電気連結器の設置、列車番号表示器の変更、パンタグラフの変更等が施された。4両単独での運用から4+4の8両での運用もこなしている。筆者が日光線に乗車した際には空転で立ち往生してしまうなどあまり向いてない路線なのかもしれないが末永い活躍に期待したい。

写真9 日光線内で行き違う宇都宮線仕様(ケヨ7→Y8)と日光線仕様(ケヨ5→Y6)

写真10 前面の異なる205系同士の併結も宇都宮地区の魅力である。
3.5. 検修用教材
クハ204-118(長野)、クハ205-1 モハ204/5-1(大宮)
長野総合車両センターのスキルアップセンターに設置されたクハ204-118に関しては床下のグレー塗装、JRマークの変更が施されているが赤帯はそのままである。毎年10月に開催される長野総合車両センターまつりにおいてその姿を見ることができる他、車内の機器にも触れて操作することができる。
大宮総合車両センターに設置されたクハ205-1 モハ204/5-1に関しては列番表示器の幕式化、側扉の変更などが施されている。毎年5月の大宮総合車両センター公開や高崎線車内より姿を捉えることはできるが一般人向けに車内への立ち入りが許される機会はまずない。

写真11 長野スキルアップセンター内のクハ204-118
表1 京葉線205系の編成表と転用

4. まとめ
10両編成19本という他線区と比べて小所帯ながら現役当時そして引退転用後の現在でも数多くのアイデンティティーやバリエーションで趣味人の心をつかんできた京葉線の205系。稼働車は全体の30%程度になってしまい半数以上は解体されてしまったものの、現在でもその姿を見ることのできる武蔵野線・栃木・山梨・ジャカルタへと足を運びその活躍を記録してみてはいかがだろうか?
5. 参考文献
鉄道ピクトリアル No.921 JR205系電車 鉄道図書刊行会
2016年9月発行