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武蔵野線 M51,M52編成について


交通システム工学科 16027番 M.O


1. 概要

 2015326日のダイヤ改正で武蔵野線の運用数が増加し、併せて新たに車両が用意された。本記事ではその車両について記述する。


2. 武蔵野線の車両の概要

 現在、武蔵野線で使われている車両は205系と209系である。205系については、新造されたメルヘン顔の0番代と、他線から転属した際に界磁添加励磁制御からVVVF制御に改造された5000番代が存在する。それぞれ製造された時期の違いにより、多種多様な編成が多い。今回はその中から、2015年に転属してきたM51,52編成について記述する。


1 武蔵野線205系の編成による違い

編成番号

側面扉窓

前面

制御

1,2,36

大窓

原型

VVVF

5,8,11,13,15,17,20,23,26,29,34

4,5号車のみ大窓

原型

VVVF

32

4,5,6,7号車のみ大窓

原型

VVVF

35

4,5号車のみ小窓

メルヘン

VVVF

62,63,64,65

大窓

メルヘン

界磁添加

51,52

大窓

原型

界磁添加

その他

小窓

原型

VVVF


3. M51,M52編成

3-1. この編成の概要

 この2つの編成はどちらも2015326日に行われたダイヤ改正において武蔵野線の朝通勤時間帯に3本の増発が予定されていたため、その不足分をまかなうために導入された。



写真1 52編成(南浦和にて)


 導入に際しては南武線にてE233系による置き換えが進み余剰が発生していた205系を組み合わせ、6両編成から8両編成にした。M51はナハ5,6編成、M52はナハ6,9編成が元の編成である。


3-2. この編成とほかの編成の相違点

 まず武蔵野線の205系で初となるシングルアームパンタグラフを装備している編成であることが挙げられる。南武線時代にパンタグラフを載せ換えており、武蔵野線転属において交換されることはなかったためこのようになった。



写真2 M52編成のパンタグラフ


 そして原型顔の6M2Tが復活したことも挙げられる。武蔵野線は直通している京葉線の勾配に対応するため、新造された編成は先頭車以外モーター車という編成を組んでいる。しかし車両を増やす際にモーター車の数が足りなくなったため、制御方式や主電動機を換装して、4M4Tでも同等の性能が出せるように改造されたものがほとんどである。(この4M4Tのものが5000番代と呼ばれている。)M51M52編成はこういった改造がされていないため、6M2Tで運行されている。

 

 また205系はモーター車ユニットが3つの場合、真ん中にあるユニットのMGを撤去しているが、現在日本にあるMG撤去車は武蔵野線のM51,M52,M62M65と埼京線のハエ28編成しかないため、貴重な存在である。

 

4. 感想

M51,M52編成が運行開始してから11月で1年と9ヵ月になる。武蔵野線の205系をE231系で置き換える計画も発表され、日本で活躍する姿を見られるのも残りわずかである。武蔵野線としての時代は短い間ではあったが、205系転属の歴史に名を残す存在であったと感じる。これからもユーザーのひとりとして見守っていきたいと願う。

 

5. 参考文献

・鉄道ファン19921月号(No.369)特集:205系通勤形直流電車

JR東日本:20153 ダイヤ改正について

https://www.jreast.co.jp/press/2014/20141222.pdf (20169月参照)

・交通新聞 20166

 

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