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南武線E233系8000番台について
交通システム工学科 3年 4069番 Y.T
1. はじめに
今回の記事の特集テーマが『話題の車両』なので、2014年8月から2015年12月の間に製造されたJR南武線向けのE233系8000番台について記述していく。
2. E233系電車について
E233系電車(以下E233系)は、JR中央線、京浜東北線・根岸線、常磐緩行線、高崎線、宇都宮線、東海道線、京葉線、横浜線、埼京線、南武線などで運用していた201系・203系・205系・207系900番台・209系といった通勤型車両や211系・E217系といった近郊型車両の置き換えを目的に開発・投入された車両である。また2015年3月14日の上野東京ライン開業にむけて追加増備された編成も存在している。
E233系の番台区分としては0・1000・2000・3000・5000・6000・7000・8000番台が存在しており、各番台の主な運用路線と所属車両基地・在籍両数は以下の表の通りである。
表1 各番台の運用路線・所属車両基地・在籍両数一覧表
番台 |
主な運用路線 |
所属車両基地 |
両数 |
0 |
■中央快速線、青梅・五日市線 |
豊田車両センター |
688 |
1000 |
■京浜東北・根岸線 |
さいたま車両センター |
830* |
2000 |
■常磐緩行線 |
松戸車両センター |
180 |
3000 |
■東海道線・高崎線・宇都宮線 湘南新宿ライン・■上野東京ライン |
国府津車両センター 小山車両センター |
265 250 |
5000 |
■京葉線・外房線・内房線・東金線 |
京葉車両センター |
240 |
6000 |
■横浜線・■根岸線 |
鎌倉車両センター |
224 |
7000 |
■埼京・川越線 |
川越車両センター |
310 |
8000 |
■南武線 |
中原電車区 |
210 |
なお3000番台においては、田町車両センター・高崎車両センターに所属していた車両が存在していたが、田町車両センター所属車は2013年3月のダイヤ改正により国府津車両センターに、高崎車両センター所属の車両は2015年3月のダイヤ改正により、国府津・小山の両車両センターにそれぞれ転属した。
本系列の開発におけるコンセプトは、『故障に強い車両』・『人に優しい車両』・『情報案内や車両性能を向上させた車両』・『車体強度の向上』の4つであり、電気機器や保安装置などの主要機器の二重系化・列車情報管理システム(TIMS)の伝送速度向上・ユニバーサルデザインの採用・空気清浄器の設置・前頭部における衝撃吸収構造の採用・予備パンタグラフの搭載・電動車比率のアップ・フルカラーLEDの行先表示器の採用などによりこれらの4つのコンセプトの達成を目指している。
E233系は2006年の0番台投入から2015年12月の8000番台の製造終了までの間、合計3197両製造されている。これはJR東日本が製造した車両としては過去最多数、またJRグループ全体で見れば同一系列の車両としては最大配置数となっている。なお南武線向けの8000番台がE233系における最終番台となり、今後主力となるE235系の開発・製造が進められる予定である。
写真1 E233系6000・7000・8000番台
3. E233系8000番台について
E233系8000番台は立川駅と川崎駅を結ぶJR南武線で運用されている205系0・1200番台、209系0・2200番台の置き換え用として登場した。2014年8月に第一編成(ナハN1編成)が所属車両基地の中原電車区に投入され、二か月間におよぶ試運転を経て、10月4日に営業運転を開始した。
南武線向け8000番台は2014年8月から2015年12月の間に6両編成35本、計 210両が製造されており、2015年12月には最終編成となるナハN35編成の投入が完了し、当初予定していた35編成が出そろった。そのため、2016年1月には205系のラストランが行われ、ナハ53編成(209系2200番台)1本を除く、本線を走る205系・209系の置き換えを完了した。
全車両、総合車両製作所新津事業所(旧新津車両製作所)で製造されている。
写真2 E233系8000番台
3.1. E233系8000番台の性能と主な特徴
3.1.1. 8000番台の性能について
南武線向けのE233系8000番台のもつ性能は以下の表のとおりである。
表2 E233系8000番台の諸性能
編成 |
6両編成 |
定員 |
924名(先頭車:142名/中間車:160名) |
車体寸法 |
20m(全長)×2.95m(全幅)×3.62m(高さ) |
設計最高速度 |
120km/h |
営業最高速度 |
95km/h |
制御方式 |
IGBT素子VVVFインバータ制御 交流誘導電動機 |
起動加速度 |
2.5km/h/s |
減速度 |
4.2km/h/s |
3-1-2. 8000番台の主な特徴
他のE233系電車の他の番台と比べ、特筆すべき8000番台の特徴として、以下の点が主としてあげられる。
◎ 車内照明のオールLED照明化
◎ 座席背部分の表地は南武線をイメージした黄色系となっている
写真3 E233-8000の車内
◎ 先頭車乗務員室の後ろ部分に、南武線が街と街、人と人をつなぎ、「明るく弾む伸びゆく沿線」のイメージしたロゴマークを配置
写真4 先頭車側面部のロゴマーク
◎ ラインカラーである黄色・オレンジ・茶色の3色の帯を配置
◎ 先頭車の側面のラインカラーの帯の部分において沿線の街並みをイメージしたロゴマークを配置
写真5 先頭車側面部(中間)
表3 イメージした沿線の街並み
ミューザ川崎 |
武蔵小杉の高層ビル群 |
とどろきアリーナ |
洗足学園音楽大学 |
多摩川 |
よみうりランドの観覧車 |
一橋大学 |
多摩都市モノレール |
立川駅北口のデッキアーチ |
ルミネ立川 |
|
◎ 屋根上部分におけるラジオ受信アンテナの設置の省略
◎ 1号車の屋根上後部にGPSアンテナ用台座を、6号車の屋根上後部にWiMAXアンテナをそれぞれ設置
写真6 1号車の屋根上
写真7 6号車の屋根上
◎ 雪下ろし作業の安全性の向上を図るため、パンタグラフ付近の屋根の側面の扉上部にU字形の安全帯フックを新設

図1 パンタグラフ付近の比較
(左側がE233系1000番台のパンタグラフ付近、右側が8000番台のパンタグラフ付近)
◎ 1000番台以降の車両に設置していた床下のハシゴの設置を省略
◎ 保安装置としてATS-P形/ATS-SN形を搭載
写真8 先頭車のATS-P/SN表記
3-2. E233系8000番台の編成構成
南武線向け8000番台の編成構成は以下の通りになっている。

図2 E233系8000番台の編成構成
図1の通り、E233系8000番台は4M2Tで構成されている。(M:モーター車、T:トレーラー車を表している。) また2号車のモハE233形-8000番台に予備パンタグラフを搭載している。
4. 参考文献
・JR東日本:京浜東北線・根岸線に新型電車を導入−E233系直流電車−
参照日:2016年8月 https://www.jreast.co.jp/press/2006_1/20060901.pdf
・JR東日本:2014年10月、いよいよ南武線にE233系車両がデビューします!
参照日:2016年8月 http://www.jreast.co.jp/hachioji/info/20140724/20140724_info_02.pdf
・武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)
参照日:2016年8月 http://musashikosugi.blog.shinobi.jp/
・JR東日本:通勤形車両の新造計画について
参照日:2016年8月 https://www.jreast.co.jp/press/2013/20130703.pdf
・交友社「鉄道ファン」2014年12月号新車速報「E233系8000番台 主要諸元表」p.56
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